仮設工事に関する用語
仮囲い(かりがこい)
建設現場などで作業区域を外部から遮蔽することによって安全を確保したり、工事の視覚的な影響を軽減したりするために設置される仮設の壁やフェンスのことを言います。
縄張り(なわばり)
建築物の位置を決定する為に、縄や石灰などを用いて敷地に位置を示す事。
遣り方(やりかた)
建物の高低、位置、方向、心(壁や柱などの中心)を定めるために、建物の隅々やその他の位置に設置する仮設表示物。
↑基礎の周囲にある木で作られているのが「遣り方」です。
墨出し(すみだし)
工事に必要な寸法の基準となる位置や高さなどを所定の場所に表示する作業。
ベンチマーク
工事に必要な基準となる高さを所定の場所に印したもの。
建地(たてじ)
足場における鉛直方向の部材のこと。鉛直荷重を支持します。
布(ぬの)
足場における水平方向の部材のこと。
腕木(うでき)
足場板を敷く為に、布に対して直交して設けられるもの。
作業床(さぎょうしょう)
高所で作業をするための床。
高さ2m以上において作業をする場合は、作業床を設ける必要があります。
- 作業床は、幅を40㎝以上、隙間は3㎝以下とする。
- 足場板は支点(腕木)の上で重ね、重ね幅は20㎝以上とする。
- 落下防止のため、高さ85cm以上の手すりおよび高さ35cm以上50cm以下のさんを設ける。
- 物体の落下防止のために高さ10cm以上の幅木を設ける。
↑腕木に、この作業床を乗せることになります。
登り桟橋(のぼりさんばし)
高所の足場へ登り降りするためのもの。作業員の通路や資材運搬路として用いられる。
- 高さ8m以上の登り桟橋には、高さ7m以内ごとに踊り場を設ける。
- スロープ式の登り桟橋の勾配は30度以下とし、15度を超える場合は滑り止めを設ける。(30度を超える場合は、階段にしなければなりません)
帆布養生(はんぷようじょう)
敷地境界線からの距離が5m以内、かつ高さが7m以上の場所は、帆布などで覆うようにします。
この写真は、北海道庁の改修工事を行なっている時の帆布養生です。工事期間中は道庁の実物は見ることができないですが、この帆布養生は期間限定でもありますので、これはこれで見る価値があると言えそうですね。施工会社の粋な計らいと言えそうです。
投下設備(とうかせつび)
隣地境界線からの距離が5m以内、かつ地盤面からの高さが3m以上の場所から、ごみ等を投下する場合に設ける。
あさがお
建築現場などの高いところから万が一物が落ちたときに、それを受け止めるための防護用の仮設物のこと。
ちなみに、これ(男性用の小便器)も「あさがお」と言います。上を向いて開いているところがあさがおの形状に似ているからですね。
仮設工事ではなく建物の一部として、このように庇を設けることがあります。万が一バルコニーから物が落下した時に二次被害が起きないようにです。これを「落下防止庇」と言います。ネット形状になっているものもありますが、その場合は「転落防止ネット」と呼ばれたりします。
足場、いろいろ
単管足場(たんかんあしば)
単管パイプ(Φ48.6㎜)と緊結金具のクランプ、ベース金具などで構成される足場。
くさび緊結式足場(くさびきんけつしきあしば)
支柱に溶接されたポケット金具に、布材に溶接された
くさびを打ち込むことによって、組立てる足場。
このように差し込むことによって、足場を組み立てていきます。
枠組足場(わくぐみあしば)
建枠、布枠、筋かいがユニット化されたものを現場で組み立てる形式の足場。組立ては比較的簡単にできる。
丸太足場(まるたあしば)
皮をはいだ杉材などの丸太を使った足場。
番線(太い針金)で結んで丸太どうしをつなげます。
足場の基準
足場にはそれぞれ基準があります。
・単管足場 ・くさび緊結式足場 |
・ブラケット 一側足場 |
・枠組足場 | |
地上第一の布の高さ | 2m以下 | 2m以下 | |
建地の間隔 | けた行き1.85m以下 はり間 1.5m以下 |
1.8m以下 | ※主枠の高さ2m以下 主枠の間隔1.85m以下 |
壁つなぎの間隔 | 水平5.5m以下 垂直5.0m以下 |
水平3.6m以下 垂直3.6m以下 |
水平8.0m以下 垂直9.0m以下 |
建地間積載荷重 | 400㎏以下 | 150㎏以下 |
※高さ20mを超える場合、または、重量物の積載を伴う作業の場合