暑さを感じるのは湿度が高いというのもありますが、太陽の角度が大きく関係していますよ。
日照について
日本には春分の日(3月)と秋分の日(9月)がありますが、この日太陽は真東から昇り、真西に沈みます。日の出から日の入りまでの時間は概ね12時間です。
春分の日から夏至(6月)に向かうと、太陽は真東より少しずつ北側よりから昇るようになり、真西より北側に沈むようになります。太陽が出ている時間は12時間よりも長くなります。また、地面に対する太陽の角度(太陽高度と言います)は高くなっていきます。
冬至の日(12月)はどうなるかと言いますと、太陽は真東よりも南側よりから登り、真西よりも南寄りに沈みます。太陽が出ている時間は12時間よりも短くなり、太陽高度は低いです。
太陽高度:その点から見た太陽の地平線に対する角度。
1日の中で一番角度が大きくなる時の角度を南中高度といいます。
日照と日射
日照と日射、似ているようで実は違います。
日照は、太陽が地表を照らす事を言い、日射は、太陽光線による放射熱の強さを言います。日射の単位は、W/m2。
日照率
太陽が出ていても、地形や周りの建物などの影響で、日影になることがあります。太陽が出ているうち、日照が得られる時間の割合、これを日照率と言います。
$$日照率=\frac{日照時間}{可照時間}$$
可照時間:日の出から日没までの時間
日射量
太陽から出た放射は、大気を通過して直接地表に届くもの(直達日射)と、大気中の雲やちりなどで乱反射してから地表に届くもの(天空日射)があり、両方を合わせたものを全天日射と言います。
太陽が見えなくて照明を付けない部屋でも、昼間暗くならないのは天空日射があるためです。
全天日射量=直達日射量+天空日射量
日照計画
壁面の方位と日照の関係
南に面した壁は、東や西、北に面した壁に比べ、冬に最も長時間の日照を受けます。でも、夏は東や西に面した壁より日照時間は短いです。南に面した壁が一番快適な居住環境が得られると言えます。
隣棟間隔
団地の棟配置計画においては、日照条件が最も悪い冬至の日照時間を元に決められます。
隣棟間隔とは、建物と建物の間の距離(内法)のこと。狭いと北側の建物の日照に影響を及ぼすので、特に高い建物については検討が必要です。
終日日影
建物の周囲で、1日中日照のない部分を終日日影、1年中日照がない部分を、永久日影と言います。
夏至の日に1日通して影になるところは永久日影になります。1年間日が当たることはありません。
採光
採光とは、昼光(昼の自然光)を取り入れて、室内を明るくすること。
建築基準法上も居室には採光のための窓が必要ですが、北面にある窓でも採光を取ることは可能ですよ。
照度とは、物体の表面を照らす光の明るさを表す物理量。単位は、lx(ルクス)
全天空照度とは、障害物のない状態の全天空による照度のこと。
昼光率(D)は、外の照度に対する室内のある点における照度の割合。単位は、%。
$$計算式は、D=\frac{E}{Es}$$
Eは室内のある点における照度 Esは全天空照度
昼光率は、室内の場所が変われば変わりますが、全天空照度が変わっても変わりません。(全天空照度が低くなり窓際が暗くなると、奥の部分も同じ割合で暗くなります。)
光束とは、ある面を通過する光の明るさを表す物理量のこと。単位は、lm(ルーメン)
光度とは、光源から出される光の強さのこと。単位は、cd(カンデラ)
日本は赤道から35°離れていますが、地球はみなさんご存じのように傾いています。その角度は23.5°
春と秋は赤道あたりで太陽は真上にきますが、夏は赤道から離れ23.5°分、日本に近づいてきます。35°離れていますので、真上にまではきませんが、真上から11.5°(35-23.5)のところまで日本の太陽は高くなります。
赤道では23.5°離れていますので、夏は日本から見た太陽の方が高い位置にあることになります。日本の夏は暑いわけです。💧