暖かい季節もあれば寒い季節もあり、四季を満喫できる我が国日本。そんな日本で考える建築は、一見難しそうに思いますが、それ故、奥が深く、また、やりがいがあって楽しい世界でもあります。建築家の存在価値も大きいと言えそうです。
日本の気候
北緯約35度に位置している日本ですが、気候において最も大きな特徴は、春と秋は比較的過ごしやすく、夏季は高温多湿、冬季は気温も湿度も低いということが挙げられます。また、梅雨の時期があったり、台風が来ることも、日本の気候の特徴です。
気温に関しては、年間の最高気温と最低気温の差を年較差(ねんかくさ)、一日の最高気温と最低気温の差を日較差(にちかくさ)と言い、共に、海岸部より内陸部で大きくなります。
風
風の吹き方は土地の条件によって、また一日によって変化しますが、海岸地方では、日中は海から内陸に向かって(海風)、夜は反対に内陸から海に向かって吹きます(陸風)。これは、先に温められた地表の空気が上昇する事によって、海から空気が流れ込んでくるために起こります。海水(水)は、暖まりにくく冷めにくいのです。
気温と相対湿度
一日のうちでは、気温はお昼過ぎが一番高くなり、夜になると下がっていきます。それに対して、相対湿度は、一般に、日中は低く夜間には高くなります。これは、大気中に含まれている水蒸気の量があまり変わらないのに対して、気温が上下することによって、飽和水蒸気量が変わる為です。
飽和水蒸気量とは、その空気が含むことができる水蒸気の量であり、その時の温度によって変化します。(気温が高いほど多くなります。)相対湿度とは、飽和水蒸気量に対して、実際にどのくらいの水蒸気があるか、その割合を示したものなので、空気中に含まれている水蒸気の量が変わらなくても、気温が変わると相対湿度は変わるのです。
詳しくは、温湿度のページを見てください。
温熱要素
私たちは、暑いか寒いかの判断を主にその時の気温で決めていますが、実は他にも影響を与える要素があります。それは、湿度 ・気流 ・放射熱(床・壁・天井から)です。
湿度は、温度と同じで高いほど不快に感じます。気流は、同じ温度でも、気流が速い方が体感温度は低くなります。放射熱は、同じ気温でも、壁面などの温度が高いほど暖かく感じます。
気温を含めたこれら4つの要素を温熱要素といいます。(気圧は関係ありません。)
快適な温度・湿度
夏季: 温度26~28° 湿度50~60%
冬季: 温度20~22° 湿度45~60%
エアコンなどの気流は0.5m/秒以下に。
地球の環境問題
地球温暖化
大気中に含まれる二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスが大気中に放出され、地球全体の気温が上昇している現象のこと。地球温暖化は世界的にも問題になっており、全世界で二酸化炭素の排出を減らす努力をしています。
ヒートアイランド現象
都心部の気温が、周辺の地域よりも高くなる現象のこと。夕方から深夜にかけて特に顕著になります。人や建築の密集化、コンクリートやアスファルトなどの人工被覆、車などの排熱などが原因です。
オゾン層の破壊
オゾン層は、太陽の紫外線を吸収して地球を保護している重要な存在です。このオゾン層を、フロンなどの人工生成物質が破壊しています。現在フロンガスは生産が禁止され、回収作業が行われています。