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【構造】荷重・外力 建物に作用する様々な力

ゆこさん
ゆこさん
日本は昔から地震が多いので、やっぱり、地震に対して強い建物にする必要がありますよね。
かんな先生
かんな先生
それはもちろんなんですが、建物に影響する荷重や外力は地震だけではないんですよ。地震以外にも、風や雪などにも耐えられるようにしなくてはいけません。また、構造計画を行なう場合は、他にも考慮しておくべき荷重や外力がありますよ。

固定荷重

まず始めに考えるのは、建築物そのものの重さです。これを固定荷重、もしくは自分の重さなので自重と言います。この固定荷重には、建物躯体(骨組み)から仕上げ材、その建物に設置している設備などがあり、建物が存在する限り、常にかかる荷重となります。

鉄筋コンクリートの重さ・・・24~25kN/m
軽量コンクリートの重さ・・・18~20kN/m
鉄(鋼材)の重さ・・・77kN/m
木材の重さ・・・4~6kN/m3 木材は樹種によって差があります。

24kNは、キロで言うと、約2,400キロ(2.4トン)です。
ちなみにお水は1mで1トンです。



積載荷重

その次に考えるのが積載荷重です。建物の中にある移動が可能なもの(家具や人など)の荷重を言います。積載荷重は、建物の用途や構造計算の対象によって、決められた数値があります。例えば、住宅の居室では1,800N/m2です。これは床1m2に対して約60キロの人が3人乗っても大丈夫なつくりにして下さい。ということになります。
固定荷重と積載荷重、この2つは建物にずっと作用する荷重なので、長期荷重と言います。

例えば、住宅の居室や事務室、百貨店、自動車車庫の積載荷重は

床計算用 大梁・柱・基礎計算用 地震力計算用
・住宅の居室・事務室 1800 1300 600
・事務室 2900 1800 800
・百貨店 2900 2400 1300
・自動車車庫 5400 3900 2000

積載荷重は、部屋の種類や構造計算の対象に応じて数値が定められている。
数値の大小関係は、床計算用>大梁・柱・基礎計算用>地震力計算用

積雪荷重

東北や北陸など雪が多い地域(多雪区域と言います)で忘れてはいけないのが積雪荷重です。屋根の上にたくさん雪が積もると、建物に大きな負荷がかかります。
この積雪荷重ですが、屋根の勾配が急になるほど低減して考えることができ、勾配が60°を超える場合、荷重は0とすることができます。(雪止めがない場合)
雪の重さは、1m2の広さに1cm積もった場合、20N以上として考えます。

積雪荷重の求め方

積雪荷重=面積(m2)×垂直積雪量(㎝)×20N(1kg重=9.8N)
※面積は水平投影面積

ゆこさん
ゆこさん
10m2の広さの屋根に1m雪が積もると、
10×100×20N=20000N(20kN)約2040㎏です。

積載(積雪)荷重は、一様に作用する場合より、不均等に作用する方が不利に働く場合がある。

風圧力

続きまして、風が建物に及ぼす力、これを風圧力と言います。風圧力は地域によって、また、建物の形状や高さなどによっても影響されます。
通常吹く風は問題ないですが、台風などでは、大きな建物でも揺れたりするのです。風圧力は次式によって計算します。

風圧力の求め方

風圧力 = 速度圧 × 風力係数
    速度圧(q) = 0.6EVo
E :屋根の高さ及び周辺の状況に応じて算出した数値
VO:その地方の台風の記録などにより定められた風速
風力係数:建築物、工作物の断面および平面に応じて大臣が定める。

  • 速度圧は、風速(Vo)の2乗に比例する。
  • また、地盤面からの高さが高い部位ほど大きい。
  • 屋根の棟部分や軒先部分には、局部的に吹上げの力が加わることがある。
  • 塔状の建物は、脚部の引き抜きの力に注意が必要。



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