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【二級建築士製図試験】木造課題 平面図の描き方

ゆこさん
ゆこさん
平面図の作図手順って、一応学校で教わったので、製図の試験でもその通りに作図すればいいですよね。
かんな先生
かんな先生
そうですね、基本的にはそれで問題ないですが、学校の製図用紙と違って、製図試験の解答用紙には方眼が印刷されています。また、制限時間が設けられていますので、きれいに描くことも必要ですが、方眼を利用して短時間で描くことも意識する必要がありますよ。
ゆこさん
ゆこさん
建築士試験で行なう製図には、いろいろとコツがありそうですね。

下書き線を引く

自分が考えたプランを見ながら壁の位置(部屋の間取り)を下書き線で引いていきます。この時、製図の基本では、壁の中心線を引いて、壁の厚み(1.5ミリ)をスケールで測り、それから壁の線を引きますが、答案用紙には方眼があるということと、その方眼が実線で印刷されており、壁の中心線を薄く引いてもわかりにくいということから、中心線は引かずに、いきなり壁の厚みをとっていくようにします。

その時の壁の厚みですが、慣れないうちはスケールで取ってもいいですが、慣れてくると感覚で引けるようになってきます。時間短縮のために、できるだけ慣れるようにしてください。

壁の下書き線は開口部があるところは、下書き線として薄く引きますが、開口部が無いとわかっているところ(壁の線)は、いきなり強い線で引いてもOKです。時間短縮につながります。

ゆこさん
ゆこさん
いきなり基本とは違う方法になっていますね。
かんな先生
かんな先生
そうなんです。でもこの方法で作図できるようになると、時間は大幅に短縮することができますよ。慣れるまでは壁厚の感覚をつかむために、壁ばかりを練習してもいいと思います。

1.5ミリを取るのはテンプレートでもOK。慣れるまでは時々壁厚をチェック!
薄く引く下書き線は、補助線、もしくは、ヘアーラインとも言います。

柱、開口部、壁を描く

柱、開口部(窓や扉など)、壁を記入します。

開口部の位置が決まれば、柱や壁を描くことができます。まずは開口部から描いていきましょう。(原則、開口部の両端には柱を設けるようにします。)

開口部を記入すれば、残った部分は壁になりますので、壁の線を本描きすることができます。

開口部と壁を記入したら、必要な柱を追加していきます。柱は原則1,820㎜以下となるように設置する必要がありますので、柱の間隔が1,820㎜より大きく空いている場合は、1,820㎜以下となるように柱を加えていってください。

  1. 先に全ての開口部を描いてから、その次に壁を描いてもいいですが、開口部をいくつか描いたら、その都度壁や柱を描いていった方が速く描けます。
  2. 柱の記入をテンプレートを使って行なうと、壁の線とずれてしまうのであまりお勧めしません。印象が悪くなる可能性があります。
  3. 開口部の位置は、建物の角は避けた方がベターですが、決まりはほとんどありません。あまり悩まないで決めたいです。また、自分なりのルールを持っておくと、考えずに作図することができます。
ゆこさん
ゆこさん
開口部の位置の自分なりのルールって何ですか?
かんな先生
かんな先生
例えば、寝室の扉の位置は、玄関や階段に近い位置にする。洗面脱衣室の外壁面に設ける窓(幅=910㎜)は浴室に近い側とし、その窓の前に洗濯機、窓のない位置に化粧台を置くなどです。 住宅の課題では、寝室、台所、洗面脱衣室、浴室などは必ず作図することになりますので、パターンを決めておくと、考える時間を節約することができます。

階段、家具を描く

階段と家具などを記入していきます。作図に必要な家具類などは概ね決まっていますので、基本的な家具や設備などは大きさを覚えておいてください。

階段は、階高を2,900㎜や3,000㎜で設定した場合、14段から15段が必要になります。(階高を3,000㎜、段数を13段とした場合は、蹴上が基準法の230㎜を超えてしまいますので注意してください。)

ゆこさん
ゆこさん
テンプレートを使うと速く描くことができる家具がありますので、是非、活用してみてください。

冷蔵庫・洗濯機:6ミリの四角
いす:4か4.5ミリの丸または四角
洗面台の洗面器:5~7ミリの楕円
洋式便器:4か5ミリの四角の半分と5か6ミリの楕円

屋根、通し柱、耐力壁、切断位置を描く

屋根、通し柱、耐力壁、矩計図切断位置、断面図切断位置を記入します。

屋根は、平家部分の大きさを確認し、軒の出及びけらばの出を含めた大きさで記入します。上の写真では、右と左で屋根仕上げの表現が違っています。左のように表現するのが理想ですが、右のように途中で省略する方法があります。(省略する場合は、左右をそろえてください。)
勾配を表す記号を忘れるケースが多いので忘れないようにしましょう。

通し柱は、原則2階の四隅に設けるようにします。1階平面図にも同じ位置に記入するようにしてください。
2階の平面形状が四角にならない場合、出隅部分に設けておくようにすれば大丈夫です。(入隅部分には必ずしも必要はありません。)
記入には、テンプレートの4ミリか5ミリの円を使うといいでしょう。

耐力壁は、2.5ミリか3ミリの三角を使用します。外壁に少し多めに入れておくといいでしょう。また、計算上、2階よりも1階の方が多く必要になりますので、1階が多くなるように意識してください。(計算までする必要はないです。)

矩計図の切断位置及び方向は、矢印の向きに注意してください。原則は、矩計図の左側が屋外、右側が屋内となる向きに向けるようにします。南側の外壁で切断する場合は、矢印は左向き、北側の外壁で切断す場合は、矢印の向きは右向きとなります。

断面図の切断位置及び方向は、建物の全てを含むように記入します。南北方向に切断することが多くなると思いますが、その場合、矢印は原則西(左)に向くように記入し、断面図は、切断位置から西側を見た図を作図してください。

1階平面図の場合は、外構(植栽、塀、門など)を作図します。

耐力壁の△は、時間がなかったらフリーハンドでもOK!
植栽もフリーハンドでOKです。

ゆこさん
ゆこさん
本当は作図の全てをフリーハンドで行なってもいいのですが、定規を使った方が速くてきれいに描けます。ただ、フリーハンドで描いた方が速い場合もありますので、時間がない場合などは有効ですよ。

寸法線、文字を記入する

寸法線と文字を記入します。寸法線と文字は、最後でなくてもいいですが、室名などの文字は、家具などと重ならない方がいいので、家具を描いたあとの方がいいかもしれません。(どうしても重なる場合は、重なっても構いません。また、引き出し線を引いて、別のスペースに書くことも可能です。)

ゆこさん
ゆこさん
作図をする時は、なるべく上から下に描いていくと、描いたところを定規でこすることがありませんので、図面が汚れにくいです。左右についても、なるべく描いたところを定規でこすらないように意識してみてください。
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