建蔽率とは
建蔽率(けんぺいりつ)とは、ひとことで言うと、建物を空(真上)から見たときの
敷地に対する建物の占める割合 です。 上の図の敷地と建物の場合、建蔽率は、□/□ となります。
建築基準法上の用語で言うと
建築面積 ÷ 敷地面積 です。
単位は一般的に「%」が使われます。%にする場合は×100をしてください。
例えば、建築面積が敷地面積のちょうど半分でしたら、建ぺい率は50%ということになります。
ですが、実際にはここまで単純ではなく、少し細かい決まりがあります。建築面積と敷地面積は建築基準法上ちゃんとした定義がありますので、まずはこの定義について確認することにします。
建蔽率の求め方
建蔽率を求めるには、まずは正しい「建築面積」を求める必要があります。
建築面積とは
「建築面積」は、建築物の外壁又は柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
ただし、地階で地盤面上の部分が1m以下の部分は算入されません。
また、軒や庇など建物から飛び出した部分は、出が1mまででしたら算入しません。(無いものとして考えます。)1mを超える場合は、先端から1m後退した部分までは算入しなくてもOKです。つまり、1mを超えた部分について算入することになります。
住宅以外に建築物がある場合、建築面積はそれらを含めた合計となります。
例えば、柱がある又は壁で囲まれたカーポート(車庫)を設けた場合は、柱又は壁で囲まれた部分を建築面積として算入する必要があります。
建蔽率の限度
用途地域による建蔽率
建蔽率は、用途市域に応じて最高限度が定められています。その数値は下表のようになっています。8割近く建築できる地域から3割しか建築できない地域もあります。
用途地域 | 数値 |
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3/10、4/10、5/10、6/10 のうち都市計画で定められたもの |
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5/10、6/10、8/10 のうち都市計画で定められたもの |
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6/10、8/10 のうち都市計画で定められたもの |
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8/10 |
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5/10、6/10 のうち都市計画で定められたもの |
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3/10、4/10、5/10、6/10、7/10 (特定行政庁が定める) |
例えば、商業地域において、200m2の敷地を持っている場合、200×8/10=160m2となり、建築面積160m2までの建物を建築することができます。
敷地の用途地域、建蔽率や容積率の制限はこのサイトで調べることができます。
用途地域マップ
敷地が2以上の用途地域にわたる場合
敷地が2つ以上の区域にわたる場合で数値が違う場合は、それぞれの区域について求め、合計するようにします。
例えば、200m2の敷地において、80%の地域と60%の地域がちょうど100m2で半分ずつとなっていた場合。
80%の地域では、100m2×80%=80m2
60%の地域では、100m2×60%=60m2
合計すると、140m2まで建築できるということになります。
全体での割合はどうなるか。
140m2/200m2=7/10 ということで、建蔽率の限度は70%となります。
建蔽率の緩和
次のどちらかに該当する場合は、定められた建蔽率の数値に1/10を加えることができます。両方に該当する場合は、+2/10です。
- 建蔽率の限度が8/10とされている地域以外の地域で、防火地域内にある耐火建築物。
- 準防火地域内にある、耐火建築物等又は準耐火建築物等
- 街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で、特定行政庁が指定するものの内にある建築物。
敷地が防火地域とそれ以外の地域とにまたがっている場合
- 敷地が防火地域の内外にわたる場合
敷地内のすべての建築物が耐火建築物等であれば、敷地全体が防火地域であるとみなして建蔽率の制限が適用されます。
防火地域 | 防火地域以外 |
耐火建築物等であれば、敷地全てが防火地域 |
- 敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合
敷地内のすべての建築物が耐火建築物等又は準耐火建築物等であれば、敷地全体が準防火地域とみなして建蔽率の制限が適用されます。
準防火地域 | 防火地域でも準防火地域でもない地域 |
準耐火建築物等であれば、敷地全てが準防火地域 |
建蔽率の適用除外
次の建築物は、建蔽率の制限が適用されません。
- 建蔽率の限度が8/10とされている地域で、防火地域内にある耐火建築物。
- 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊等
- 公園、広場、道路、川などの内にある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの。